こんにちは!malcoです。
映画「ビブリア古書堂の事件手帖」を観てみました。
以下、簡単なあらすじとネタバレなしの感想です。
ネタバレなしあらすじ
五浦大輔は幼い頃に、祖母の大切にしている古書を触ってひどく怒られた事があり、それ以降、活字ばかりの本が読めなくなってしまいました。
その祖母が亡くなり、遺品整理をしていた大輔は、昔触って怒られた古書・漱石全集の「それから」を手にとり、中を確かめます。すると、本には夏目漱石のサインと田中嘉雄という名前が書かれており、若い頃の祖母の写真が挟まれていました。
夏目漱石のサインが本物かどうかを確かめるため、大輔はビブリア古書堂を訪れて店主の篠川栞子に本を見てもらいます。
残念なことに夏目漱石のサインは偽物でした。
しかし本を調べた栞子は、大輔の祖母が家族に言えない秘密を抱えていた事に気づくのでした。
そしてひょんな事から、大輔はビブリア古書堂でバイトをすることになり、栞子が抱えている問題を打ち明けられます。
栞子に襲いかかる危機とは、そして古書に隠された祖母の秘密とは…というストーリーです。
「ビブリア古書堂の事件手帖」とは
映画を観て、「事件手帖」という名前のわりには、そんなに謎を解いてないな〜と思ったんですけど、原作は何巻も出ていて、客の持ち込む多くの謎を解決しているようです。
映画は原作の1巻からエピソードを抜粋しつつ、少し手を加えて作られたストーリーのようです。
2013年に剛力彩芽さん主演でドラマ化されています。こちらの方が、事件がいろいろあって「事件手帖」感はあると思います。
映画のキャスト/野村周平さん、黒木華さん、成田凌さん、夏帆さん、東出昌大さん、他
ネタバレなし感想
過去は純文学の世界
大輔と栞子が生きる現代と、祖母の絹子の生きた時代とを行き来しながら物語が進んでいきます。
特に絹子の時代の映像は美しくて、雰囲気も良かったです。淡い色使いと静かな物語の進行、背徳的な美しさや儚さは、まさに日本純文学の世界観。今の時代ならバッシング間違いなしですが、絹子が背負い続けた罪悪感と年老いても忘れられない情念のようなものが、とても切なく感じられました。
夏目漱石や太宰治などの作品がいくつか出てきますが、内容を知らなくても大丈夫だと思います。もちろん知っていた方が楽しめそうですが。
私は純文学はあまり読んでいませんが、太宰治はいくつか読みました。太宰の作品が絡むと暗くなりすぎるイメージがあるのですが、この映画では暗すぎず、程よく理性的に保たれつつも、やはり背徳的であるという、絶妙な塩梅が好きでした。
現代はミステリー調
原作は未読ですが、剛力彩芽さんのドラマを観ていました。ずいぶん前なので内容をすっかり忘れていたんですが、観ていくうちにうっすらと思い出してきて、犯人はすぐにピンときました。
でも、ドラマを観ていなくても恐らく犯人はすぐに分かると思います。ミステリー調なわりには人間関係が単純で、呆気なかったです。過去のストーリーに時間を割いたがために、現代のストーリーに手が回らなかった感じかな。ミステリーとして観るには物足りないと思います。
大輔が栞子のために頑張るのですが、これがまた行き当たりばったりで、あさはかで…。ちょっとイラッとする部分もありました。キャストの野村周平くんはとっても爽やかだったんですけどね。
黒木華さんは栞子役がとてもお似合いでした。いかにも本好きで、思慮深く、少し浮世離れしている感じが可愛らしくてピッタリでした。
登場人物の行動などに違和感を覚えることはあるものの、全体的には纏まっていたかなと思います。
別々の本に関連する謎や秘密が繋がっていくのは、なかなか面白い展開でした。
エンディングはサザンオールスターズの「北鎌倉の思い出」です。音楽はもちろん、メインボーカルが原由子さんな所がこの映画の雰囲気にマッチしてました。
さすがサザンだな。
まとめ
純文学の作家や作品が出てくるので、そういう作品が好きな方はぜひ。儚げな雰囲気が素敵でした。
少しイラっともしますが、全体的には楽しめました。
そして、純文学をまた読んでみたくなりました。
若い頃に少しだけ読みましたが、何せ難しい本が多くて…。
しかし今なら歳を重ねた分、昔とは違う感じ方ができるのかもしれません。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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