こんにちは!malcoです。
以下、ネタバレなしのあらすじと感想です。
チア男子!!とは?
2019年に公開された横浜流星くん・中尾暢樹くん主演の映画です。
原作は朝井リョウさんの小説で、朝井さんの母校・早稲田大学に実在する男子チアリーディングチームをモデルに描かれた作品です。
キャストの皆さんは、ラストのパフォーマンスシーンに向けて3ヶ月間トレーニングを積んだそうです。撮影の前日に流星くんが大怪我をしたと、完成披露試写会で明かされて話題になりました。痛み止めで乗り切ったそうで。大変な撮影だったようです。
ネタバレなしあらすじ
主人公は大学生・坂東晴希(横浜流星)。柔道一家に生まれ、幼い頃から自宅の道場で姉(清水くるみ)や幼馴染の一馬(中尾暢樹)と共に練習励んできましたが、姉のような才能がないと悩んでいました。
ある日、晴希は試合で肩に怪我を負い、しばらく柔道から離れられる事にホッとしていました。
そんな中、一馬が柔道を辞めて男子チアリーディングをすると言い出します。
一緒にやろうと誘われた晴希は、柔道を辞めてチアリーディングをやると決意。しかし柔道一筋である姉の合意を得られず、関係に溝が生じてしまいます。
大学で男子チア部を作った晴希と一馬は、チームメイト集めに奔走します。
真面目で理屈っぽい性格の溝口(浅香航大)、ぽっちゃり体型でスポーツ経験がないトン(小平大智)、バク転をしているのを見かけて声をかけたイチロー(菅原健)と弦(岩谷翔吾)が入部し、メンバーは6人に。
しかしチアの経験がない晴希たちでは、まともな練習ができません。女子チアリーディング部のコーチから、同じ大学に徳川翔(瀬戸利樹)というチア経験者が入学していることを聞き、探し出します。
しかし翔は「チアはそんなに甘くない。怪我をする前にやめろ」と言って全く取り合いません。
さらに、学生会からの依頼で学祭でパフォーマンスをすることになった晴希たち。
晴希たちは男子チア部に「ブレイカーズ」と名前をつけ、学祭に向けた練習に臨むのだが…というストーリーです。
ネタバレなし感想
「ウォーターボーイズ」や「タンブリング」のような部活系青春サクセスストーリーです。
正直、視聴前は「イケメン出てれば話題になるでしょ」ってタイプの作品だと思っていて、取り敢えず横浜流星くん出てるから観てみよっかな、くらいの気持ちでした。
大間違いでした。
確かに、よくある「青春謳歌」って感じの爽やかな内容で、ベタな王道ストーリーではありした。意外性のある展開はひとつもありませんでしたし。
イケメンいっぱいで、チアのシーンもカッコ良かった。
でもそれだけじゃないです。
素直に、おもしろかったと思えました。
この手の作品では、主人公ばかりを取り上げてサブキャラのエピソードが薄かったり、イケメン使ってるってだけでストーリーが手抜きだったり、そんな失敗作も目にします。
少し前に見たバスケの映画が、まさにそんな感じでイマイチでした。
この「チア男子!!」は、ストーリー性、キャラの背景や見せ方などのバランスが良かったです。
特に、部員7人の成長に重点を置いて描かれているのが好印象でした。
前述したように、キャストたちは映画の撮影にあたって3ヶ月のチアのトレーニングを積んでいます。
そしてこの映画の中でも、3ヶ月間の猛特訓の末に学祭を迎えるというストーリーなのです。
つまりキャストたちの成長が、そのまま映画の登場人物たちの成長につながっているわけです。
ドラマや映画の撮影のたった数ヶ月で、登場人物の成長を描くのは難しいと思います。
ものすごく成長して、全国大会へ!みたいな作品もありますが、どうしても演者の実力と作品内の設定が一致せず「全国大会に出られる実力には見えない 」という現実に、視聴者的には少し冷めてしまうのですが、この作品ではまさに等身大の成長が見られたと思いました。
そういう点では、大きな大会など無理な目標にせず「学祭の舞台」を着地点にしたのも良かったです。
作品の中では、友達にバカにされていたり、怖くて前に進めなかったり、理解されずに苦しんだり、それぞれに様々な悩みを抱えています。
そんな中で3ヶ月間のチアの猛特訓の末、あんなに成長したところを見せられたら、そりゃ周囲は驚くだろうなと。
何もしなかった人にとっては、何の変化もないただの3ヶ月の時間の流れ。
でもブレイカーズのみんなは、それぞれにいろんな事を乗り越え、成長して、できない事ができるようになった。
その3ヶ月の差は大きいと感じました。
登場人物の描き方も良かったです。全員の個性がちゃんと見えてるから、楽しそうに仲良く絡んでるシーンが微笑ましくて。
特に溝口ととんちゃんが好きでした。2人とも落ちこぼれながら、すごく頑張っていて。
関口の名言にはグッと来ました。関口は頭が良いので、考えることも深いなと。
「過去の苦悩の上に、今日の希望がある」
若者たちの「努力と成長」に素直に感動できる作品でした。
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