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「MIU404」第11話(最終回)感想 久住は社会悪の象徴だったのか

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こんにちは!malcoです。

 

「MIU404」第11話(最終回)が放送されました。 

今期一番楽しみにしていたドラマが終わってしまって、寂しさいっぱいです。

いろいろ思いがありすぎて、いつも長い文章がさらに長くなってしまいました…(ー ー;) 

 

以下、簡単なあらすじとネタバレ含む感想です。

視聴がまだの方はご注意ください。

 

 

ざっくりあらすじ

久住(菅田将暉)の起こした爆破テロ騒動はフェイクだったと分かり、SNSの炎上は何とか落ち着きました。

ネット上では落ち着いたものの、虚偽通報の影響で通信指令本部が混乱し、対応に遅れが出でしまいました。その中には、トラックに轢き逃げされた陣馬(橋本じゅん)の通報も含まれていました。

陣馬は一命は取り止めましたが、一向に目を覚さないままでした。九重(岡田健史)は、相棒として一緒にいたら結果は違っていたかもしれないと悔しさを噛み締めます。

桔梗(麻生久美子)は諸々の混乱の責任を取って、1機捜と4機捜の隊長を退くことに。

志摩(星野源)と伊吹(綾野剛)は、あの夜病院へ行くことを選んで久住を取り逃した事で、関係がギクシャクしていました。

他人を信じて判断を誤ったと後悔する志摩。

陣馬が意識不明になった事で、蒲郡小日向文世)が乗り移ったように「許さない」という感情に取り憑かれる伊吹。

取り逃した久住の行方は、依然として分からないままでした。

志摩は警察としてできる事に限界を感じ、どうにか久住を見つけるため特派員REC(渡邊圭祐)に協力を依頼します。ネットの集合知を利用して、久住が使っていた特殊なスマホケースの販売元を探る事に。ネットからの情報と、九重の警察庁刑事局長の息子としてのコネも使い、久住の居場所に目星をつけました。

伊吹は、志摩を盗聴して久住の場所を知り、先んじて1人で久住の元へ向かいます。

東京湾マリーナで久住を発見した伊吹でしたが、久住の策略によりボート内の部屋に閉じ込められてしまいます。その部屋では違法ドラッグが製造されていました。薬を大量に吸い込んでしまった伊吹は倒れて意識を失ってしまい…というストーリーです。

 

 

ネタバレ感想

「夢であれ」と思ったら、本当に夢でした

最終回にして、なかなかの問題作でした。これってアリなの?っていう展開。

賛否が分かれそうですね。

ちょっとパラレルっぽくなってました。

つまり、これまで見ていた話は去年(2019年)の話だったってことですよね。

みなさん気付いてました?

私、あんなに一生懸命見てたのに。気付いてませんでした( ̄◇ ̄;)

最初からずっと2020年だと思ってましたよ。日付とか年とか全く気にしてませんでした。

何か、すごいショック…。もう1度1話から見直したい気分です。

 

途中までヤバすぎる展開でした。

「人生にはたくさんのスイッチがあって、良い方向にも悪い方向にも行く」っていうのがこのドラマのテーマで、最終回ではその両方の結末を見せる形となりました。

悪い方にスイッチした場合は、志摩が死んで伊吹が久住を殺すという結末。

志摩が死んだ時には「夢であれ」と思いましたが、まさか本当に夢になってしまうとは…。

前半が志摩の夢で、CM挟んで後半が伊吹の夢だったようです。

それぞれに、各々の後悔や迷いが反映されていました。

特に伊吹の夢では、1人で乗り込んだ事を久住に責められて「クズのまんま」とか言われて、この時の久住のセリフには違和感がありました。

伊吹の夢だと知ってから見返すと、納得できるシーンでした。

この悪夢の先では、2020東京オリンピックが開催されていました。

そんな未来もあったのかもしれません。

 

実際は、陣馬が目を覚ましたことがスイッチになって、九重の連絡のおかげで伊吹が目を覚まし、志摩と協力して逃げることが出来ました。

この世界の先が、コロナ禍の起きた本当の2020年に繋がっていました。

多少強引な手口でしたが、言いたいことはよく伝わりました。

どこで何がスイッチになって、どう転ぶか分からないという人生の危うさ。

でも、されるがままに転がるだけじゃなく、自分の意思で転がることだってできるし、自分で分岐点を選んで進む事だってできる。

それがこのドラマのメッセージなのだと、私は受け取りました。

志摩と伊吹は、機捜として「誰かが最悪の事態になる前に止める」ことができたし、それはスイッチで転換させられながら何となく進んだ道ではなく、自分たちで選んで進んだ道なのだと思えました。

 

夢から覚めた後の展開は、それまでの不穏な感じは全くなくなってました。

このドラマらしく疾走感があってノリが良くて。

メロンパン号も出てくるし、志摩と伊吹はペアルックだし、伊吹は走るし飛ぶし。

あ〜戻ったなって、心からホッとした〜(-。-;

 

それにしても、コロナがなかったらどんな脚本になってたんだろう。

コロナ禍は私たちの生活を大きく変え、エンタメ界にもダメージを与えてるはずですが、それさえ利用してしまう野木さんの底力に驚きです。

 

久住とは、クズでゴミで社会悪

久住の正体は分からずじまいで、過去も語られませんでした。

彼がどんなスイッチを通ってどう転がってああなったのか、少し気になってました。

最終回では当然そこを描くものだと思ってたので、本当に予想外でした。 

泥水に流されろとか、神様は指先ひとつで全部さらってしまうとか言ってたので、何かの被災者っぽいですが、全ては闇の中ですね。

最後は、すごい皮肉でしたね〜。

久住が血を流して助けを求めても、血だらけの顔を笑われるだけで誰にも心配されず、久住の言うことなど誰も聞いていませんでした。

あれはドラッグのせいだけって感じでもありませんでしたね。久住の人間性が招いた結果のような気がしました。

楽しい事だけしてればいいと、久住が周りを巻き込んで進んだ世界。

本当にこれで良かったのかな。

あと、あの「おっぱい〜」はやっぱアドリブかな。

 

久住はクズでゴミでガラクタで…結局、何者だったのでしょうか。

何となくですが、久住という存在は「社会悪」という象徴のように感じました。

どこからともなく出てきてしまう。

誰が生み出したとか、もとを辿ればキリがない。

久住の過去を出せば、社会悪ではなく可哀想な個人の物語になってしまうし、その先にまた久住を陥れた悪が出てきてしまいます。

「被害者が加害者になり、また被害者を生む」という桔梗のセリフの通りですね。

それを追っていくと、卵が先か鶏が先かみたいな話になってしまって、いつまで経っても尻尾が掴めません。

そういう正体の掴めない漠然とした存在の象徴のまま、ラスボス・久住を葬ったのかなと。

人間に巣食う悪の根深さを感じました。

 

ドラマが終わってしまって…

改めて、本当に素晴らしいドラマでした。

これまでのあれこれを思い出すと、語り尽くせません。

登場人物たちの成長とか、変わっていく関係性とか、面白過ぎる会話とか、本当にたくさんたくさん素敵なものを見せてもらいました。

好きなドラマが終わると「続編を!」っていつも思ってしまうんですが、このドラマに関してはなくても良いかな。

それくらい納得できる形で終わってくれました。

ドラマは終わっても志摩と伊吹の関係は続いてくれてるし。

それだけで感無量です。

 

アンナチュラルの続編を切望される中、あえて同じチームで新しいドラマに挑戦したのは大きかったと思います。

作り手の伝えたいメッセージをこれでもかと感じる事ができました。

作り手側が「いまこそ伝えるべきだ」と想いを込めて作った作品には、こんなにパワーがあるんだなと、痛感させられたドラマでした。

これが視聴者の人気や視聴率のために作られた作品だったら、ここまでの熱量は感じられなかったでしょう。

それを考えると、下手に続編を作るよりも、またこのチームで伝えるべきテーマに基づいて新しい作品を作ってほしいな。

もし続編が作られても…もちろん観るけどね〜( ̄∀ ̄)

 

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

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★第10話の感想はこちら!

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