こんにちは!malcoです。
「笑うマトリョーシカ」第11話(最終回)が放送されました。
以下、ネタバレを含む感想です。
視聴がまだの方はご注意ください。
★前回の感想はこちら!
ざっくりあらすじ
清家(櫻井翔)からブレーンになってほしいと頼まれた道上(水川あさみ)は、清家の近くにいることでハヌッセンを突き止められるかもしれないと考え、依頼を受けることにする。すると清家は、道上がアドバイスした内容をすぐに会見で話し、既に発表された首相公選制の方針まで変更して、道上の意見をどんどん取り入れていってしまう。
山中(丸山智己)から、BG株事件の証拠を公表について急かされるが、現政権を揺るがす記事を書けば、清家もタダでは済まない。道上は清家のブレーンとしてそばに居られなくなると感じて悩むが、ジャーナリストとしての立場を優先し、清家のブレーンから降りて政権にダメージを与える記事を書くことを清家に伝える。
記事は瞬く間に広がり、羽生(大鷹明良)や諸橋(矢島健一)は事情聴取を受けることに。羽生はあっさり事件への関与を認めてしまう。
後日、道上は羽生から呼び出され、羽生が兼高(渡辺いっけい)の事故には関わっていないことを打ち明けられる。諸橋が富樫(吉岡陸雄)に指示をしてやらせたことで、このことは清家も知っていたのだと言う。さらに、和田島(加藤雅也)もBG株事件に関与しており、羽生や諸橋の関与をもみ消したのは和田島であった。清家は代議士になった直後から和田島の家に出入りしていたのだ。
羽生から話を聞いた道上は、清家に会い、真実を聞く。
道上は和田島が清家のハヌッセンだったのではないかと尋ねるが、清家は違うという。
清家が代議士になってから再会した和田島は、清家がこれまで出会った人とは違っていた。自分をコントロールしようとしなかった。それどころか、清家と同じ特性を持っていた和田島は「操ろうとしてくる人間を利用しろ」と教えた。清家は、そんな和田島はハヌッセンではなく「目を覚まさせてくれた同志」だという。そして、自分を操っているハヌッセンはいないと話す清家。
清家には「本当の自分」が分からなかった。だから、余談を持たずに自分を見てくれそうな道上に目をつけたのだと言う。ブレーンを降りて、ジャーナリストであろうとした道上を賞賛する一方で、清家の裏にハヌッセンがいて、清家が操られていると考え、決めつけたことに、清家は怒っていた。
では、なぜ清家は鈴木(玉山鉄二)や亜里沙(田辺桃子)を切ったのか。理由は「みくびるな」と感じていたからだった。
大学の頃、鈴木と浩子(高岡早紀)が男女の関係にあると亜里沙が清家に教えた。その時に初めて、鈴木や浩子から見くびられていると感じた。二人の関係を教えてくれた亜里沙もまた、清家と恋人でありながら、武智(小木茂光)と不貞関係にあり、武智を手にかけた。
それらの出来事を経て、彼らにとって一番最悪のタイミングで、別れを与えることにしたのだ。浩子とは議員になった時に顔を合わせなくなり、亜里沙は副大臣になって政治家としての先が見えた時に切った。そして、鈴木の事故は清家が仕組んだものであった。事故が失敗したため、最も屈辱的な形でクビを切ったのだ。
常軌を逸した清家の言動にショックを受ける道上。清家は、BG株事件をもみ消して宇野を死に追いやった人物の息子の下に、ずっと仕え続けてきた鈴木を嘲笑う。そして「ヒトラーがしたことは許されないが、ヒトラーがトップに立って人々を先導し、国民の意識を変えようとしたことは間違っていない。無関心が蔓延しているこの国に必要なリーダー像なのだ」とヒトラーを称賛し始める清家。
では、浩子を切ったのに、祖母から浩子が受け継いできた考えを、政治に反映させようとしたのは何故なのか。
清家には、やりたいことが何もなかったのだ。しかし政治家には政策が必要だ。だから、昔から教えられてきたことを実践してきた。ただそれだけだ。ブレーンがアドバイスをすれば、すぐに従ってきたのも、自分に明確な意思がないからであった。
清家は自分が分からない。しかし、見くびられたくはない。そして、そんな自分にも分かってきたことがある。それは「偽物がここまで出世することはない」ということ。総理大臣を目指そうとする清家に、道上は「あなたを知ろうとすることを諦めない」と宣言するのだった。
5年後。清家は総理大臣になっていた。憲法が改正され、緊急時に内閣総理大臣に権力が集中するという法案が決定された。権力濫用から独裁に傾く恐れを懸念する道上。それまでの間に、道上は清家のことを赤裸々に語った本を書き、多くの人に読まれたが、国民は清家を選んだ。人々は何も分からず、彼を持ち上げ続けた。
しかし、道上は今日も清家を知り、人々に伝えるために取材を続けるのだった。
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ネタバレ感想
うーん。なんというか、変な話だったな〜。
結局、ハヌッセンはいませんでした。
そりゃそうだよね〜という結末。
前回の感想にも書きましたが、清家が誰かに操られていると考えるのは、みんなで清家を能無し扱いしてるってことですから。
失礼な話だし、清家本人だって嫌ですよね、そりゃ。
まぁしかし、フタを開けてみたら清家自身にはやりたいことが何もなく、明確な意思も政策もなく、それなのに政治家をしている…というのは、確かに異常でした。
能無しの操り人形とまでは言わないけど。
ここまで上手くいったのは、やっぱ鈴木のおかげだったな〜。
そして、鈴木に目をつけた浩子も正解だった。
ただ、清家が浩子と鈴木の関係や、亜里沙と武智の関係を知っていて、傷ついていだんだと思うと、かわいそうではあります。
人間関係を壊すには、じゅうぶんすぎる出来事でした。
鈴木も浩子も、どっちも余計なことをしましたよね。
罪は重いです。
清家は「みくびるな」と言ってましたけど、全ては清家の復讐だったんだと思いますよ。
「みくびるな」という表現だと、「それだけのことで人を殺したり、残酷な仕打ちをするなんて」と思えて「清家が異常」という印象になりますが。
親友と母親に裏切られ、恋人にも裏切られてきたわけですからね。
その上で、みんなで清家を「自分がいなければ何も出来ない能無し」扱いをしてきたわけですから、清家の心は傷ついて当たり前でしょう。
そんな人間ばかりが周りにいたのだと思うと、不憫でなりません。
鈴木は宇野という苗字に変えて、「堂々と選挙に出馬した」風になっていましたが。
清家が「こいつ、俺の母さんとデキてたんだよ」って広めたら、あっという間に失脚するんじゃないかな。
ドラマ全体としては、おもしろくなりそうな雰囲気を醸し出しつつ、結局おもしろくなり切らずに終わってしまった印象でした。
最初から最後まで清家という人間を追いかける話だったのに、途中で浩子を追いかけていたのが、もったいなかったですね。
物語と核となるはずの清家が、サブキャラのようになってる話が多かったです。
浩子のパートが長すぎました。
それから、清家が助けを求めていると感じた道上の勘違いから始まり、ハヌッセンがいると決めつけて、それありきでガンガン進んで行くという展開も、やはり不自然でした。
「道上が勝手に突っ走って、視聴者が振り回されている」という印象がずっと拭えませんでしたし。
道上の「ハヌッセンがいる」という推理が外れていたので、余計に振り回された感が強くなってしまいました。
興味深い内容ではあったので、もっとおもしろく出来たんじゃないかと思うと、残念です。
「ハヌッセンがいるかもしれない」という印象を強制的に登場人物に言わせるのではなく、物語が展開していく中で自然と「視聴者にそう思わせる」ことが出来て、最終的に「登場人物たちと視聴者の共通認識になる」ことが出来たら、もっとハマれたかもしれません。
うーん。惜しい作品でした。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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