現実逃避は前向きに。

ウクレレ&ドラマ大好き主婦の徒然日記

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格闘技と暴力。その境界の曖昧さについて

こんにちは!malcoです。

先日から、空手の植草選手がパワハラを受けていたとして問題になっています。

植草選手は左目を竹刀で突かれて大怪我を負ったようです。

「どうして空手で竹刀が出てくるのか」と疑問に思いましたが、練習に使用していたのだとか。

この問題について言及するつもりはないのですが、剣道側の人間としてひとつ言いたいのは、竹刀を変なことに使わないで欲しい…。 

昔のドラマとかでよくありましたが、竹刀を担いで生徒を脅す体育教師とか、竹刀を指し棒代わりに使う先生とか。

みんな、竹刀をなんだと思ってるんだろう。

 

植草選手の報道を見て、格闘技における暴力事件について、息子が習っている剣道で思い出した事があったので、お話ししてみようと思います。

批判的な内容も含まれますので、ご了承ください。

しかしながら、格闘技をしている方にこそ考えてほしい内容でもあります。

 

 出稽古先での事件

少し前の事ですが、うちの剣道教室が、昔から懇意にしている道場に出稽古に行きました。

と言っても、うちの子は参加しなかったのですが…。

なので、この先の話は全て他のお母さんから聞いた話です。

 

「掛かり稽古」について 

その出稽古先での「掛かり稽古」の際に、事件は起きました。

掛かり稽古とは、掛かり手(打って行く方)が元立ち(受け手)に向かって、絶え間なく打ち込んでいくという稽古方です。時間は、元立ち1人に対して数十秒。終わると次の元立ちへ掛かって行く…というのを繰り返します。休む間もない激しい打ち込みを繰り返していくので、とても過酷で辛く、うちの長男はこの稽古が一番嫌いです。でも、精神面、体力面、技、俊敏性など、いろんなところが鍛えられるとても大切な稽古なのです。一般的に、先生や上級生が元立ちをすることが多く、掛かり手は先生たちに無心で掛かって行くことで 様々なことを身体で学びます。

 

掛かり稽古で事件勃発

その、掛かり稽古中の話です。うちの道場で当時中学生だった女子剣士:Aちゃんが、出稽古先の道場の八段の先生に掛かって行き、酷い仕打ちにあったらしいのです。

向かって行っては倒され、打たれ、立ち上がろうとしているところをまた打たれて突かれて立ち上がることもできず、やっと起き上がって向かって行ってもまた何度も倒され打たれ…。普通は数十秒で次の元立ちへ移るはずが、なかなか許されず、Aちゃんは10分程度ずっと八段の先生に倒され、打たれ続けたそうです。

その場にいたお母さんたちも、見るのが辛かったと言っていました。

終わったときには、もうボロボロ。自宅に帰って道着を脱いだら、肩から腕から足から、身体中がアザだらけ。袴は破けていたそうです。Aちゃんは家で号泣。剣道が好きで、学校でも剣道部に入り、やる気のある剣士だったのに、そんな彼女が「もう剣道には行きたくない」と言ったそうです。

八段の先生からそんな仕打ちを受けたのは、Aちゃんだけだったようです。

なぜ、Aちゃんだけこんな目にあったのか…。

 

倒され、打たれた理由

出稽古先の道場では、掛かり稽古で八段の先生に掛かっていく際にはルールがあったようなのです。(ルールの詳細について明かすのはやめておきます)

しかし、Aちゃんはそのルールを知りませんでした。

当然Aちゃんはルール通りにできず、八段の先生のお怒りを買ってしまった…ということです。

うちの道場には、そんなルールはありません。出稽古先でも、そのルールはその八段の先生に対してだけで、他の先生には普通に掛かっても大丈夫なようです。(剣道界全体として、八段の先生だけに対する共通のルールがあるのかと思いましたが、調べても出てきませんでした)

そのルールについては、Aちゃんだけでなく、うちから参加した多くの剣士たちが知らなかったようです。

たまたまAちゃんが最初に八段の先生に掛かったために、Aちゃんだけがそんな目に会ってしまいました。

 

※うちの先生方はそのルールを知っていたようなので、剣士たちに教えずに出稽古に行かせた事にも問題がありますが、今回は体罰・暴力について考える記事なので、その問題には触れません。

※ちなみに、掛かり稽古では掛かり手が倒されること自体は、よくあることです。倒されても向かって行く精神力や根性がつきますし、倒されないよう強くなっていく事も重要なのです。

 

格闘技と暴力の境界

ここで疑問なのが。

 

これって、稽古なの?暴力なの?

 

みなさん、どう思いますか?

「剣道 暴力」などでググってみたら、実にたくさんの体験談が出てきます。

Aちゃんよりももっと酷い例はいくらでもあります。

格闘技と暴力って紙一重だな〜と、再認識させられます。

格闘技をしている人が、一般の人に手を出すことは固く禁じられていますし、生徒たちも先生からそう教えられるはずです。

 

でも、格闘技をしている人たち同士、稽古中なら何をしてもいいの?

 

どう考えても暴力です。

八段の先生がどうしてAちゃんにそんな仕打ちをしたのかは、分かりません。

上記で説明した理由はあくまで他の先生が言っていたことで、八段の先生の真意は確認していないからです。

でもどんな理由があったにせよ、いい大人が女子中学生に対して、身体中にアザができて袴が破れるほど痛めつけて良いものでしょうか。

ほとんどの方がご存知のように、剣道では防具を付けます。防具をつけたところを打つスポーツなのです。

それなのに、防具つけてないところに大量にアザができるっておかしいですよね。

(打突を外されてアザができることはありますが、それは仕方ないとして)

 

私の結論としては、八段のお偉い大先生がやったことは「暴力以外の何物でもない」です。

 

剣の道を極めた先

現在、剣道では八段が最高の段位です。

もっとも難しいとされていて、合格率は毎年たったの1%前後という狭き門です。何度受けても合格できない人もいるのだそうです。

そんな狭き門を潜り抜けた、誰よりも稽古に励み、鍛錬を続け、技だけでなく人間的にも磨かれているはずの、八段の先生…。

 

衝撃でした。 

人生の多くの時間を賭して剣の道を極めた先が、それ。

女子中学生を、ボロボロになるまで痛めつけるような人間。

 

剣道では「礼に始まり、礼をもって行い、礼に終わる」と言います。ちょっとでも剣道に関わった人なら、おそらくは誰でも聞いたことのある超有名な教えです。

八段の先生の仕打ちの、一体どこに礼があったのでしょうか。

それとも、敬意や礼を払うのは段位が上の人に対してだけで、段位が上がれば必要ないのでしょうか。

剣道とは、打たれることで痛みを知り、打たせていただく事に感謝をし、相手に敬意を払うものだと、私は思っていたのですが…。

 

「先生」もいろいろ

出稽古後のうちの先生方の反応もさまざまでした。

Aちゃんにきちんと教えてあげていなかった事を謝る先生。辛かったのによく頑張ったと言う先生。これらの反応は人として当然だと思えます。

他には、恥をかかされたと憤る先生。これまでにも出稽古に行っていた道場なのに、なぜ今回はきちんと出来なかったのか、という事だと思います。しかしそれは、自分が恥をかかされたと怒るところではなく、先方道場に失礼だったと指導の不行き届きを恥じるべきだと思います。

あとは、八段の先生は神様だと言い出す先生。この先生は何かと体罰を与え気味で、保護者から問題視されていた先生です。転勤で県外に行かれたため、もういらっしゃいません。

 

一口に「先生」と言っても、当然ながらいろんな方がいらっしゃいます。

みんながみんな、この八段の先生のような人ではない、人間として素晴らしい方もいらっしゃると思っています。いや、そうだと信じたい。

結局、どんなに稽古を積んで鍛錬しても、性格までは直せないということでしょうか。

むしろ厳しすぎる稽古は、場合によっては人格を歪ませてしまったり、世間との意識のズレを生んでしまいそうな気もします。

 

体罰を受ける子どもが1人でも減りますように

格闘技は、一歩間違えばただの暴力になってしまいます。

怪我はつきものだし、殴ったり蹴ったり叩いたり、暴力となんら変わりのない行為をするのも事実。競技の性質上、練習中にできたアザや怪我は、練習でできたものなのか、理不尽に暴行を受けたものなのか本人以外は判別できません。暴力を受けた本人の訴えがなければ、表沙汰になりにくいです。訴えても「稽古によるものだ」と言ってしまえば済んでしまうものもあるでしょうし、その捉え方についても人によって差がありそうです。

だから体罰問題が後を絶たないのだと思います。

格闘技は、各競技のルールに則り、規制を守ってこそスポーツとして成り立つものです。

剣道においては、日本の伝統的な武道なので「伝統の継承者」として自負している方もいらっしゃいます。

昔から脈々と伝わる「何か」があるのでしょう。

それは厳しさだったり、根性だったり、度胸だったり、忍耐力だったり、いろんな言葉に置き換えられるものなのかも知れません。

それを当然のように受けながら育った子どもたちは、大人になって指導者になって自分が誰かに教えるようになった時に、どういう指導をするのでしょうか。

それは本当に指導なのか、それとも暴力なのか。

厳しさなのか、それとも鬱憤のはけ口にしているだけなのか。

その境界は、あまりにも曖昧です。

 

今回お話しした件に関して、うちの息子は出稽古に参加すらしていなかったので、そういう面では無関係であり、第三者です。

しかし、声をあげられる時に世の中に訴えておきたいと思い、出稽古に参加した剣士のお母さんたちから話を聞き、自分の考えをまとめました。

体罰はおかしいよ」「これは指導じゃなくて暴力だよ」という声が、指導者の方々に少しでも届きますように。

自分が受けてきた厳しく激しい練習や稽古を、ただ次の代に繰り返すのではなく、その行為が子どもに与える影響について考える機会を設けていただけますように。

そして、子どもたちが体罰に怯えることなく、一生懸命に稽古に励むことができますように。

 

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。